先日いつもレコーディングでお世話になっている池袋にあるStudio Dede でピアノトリオの録音をさせていただきました。録音の合間にオーナーの方と雑談していたところ、「(音質から見た)録音技術のピークは1970年代にあると思うんです。」と言うと、すぐさま「録音技術のピークは1972年です。」ハッキリとおっしゃられました。
正確に年まで言うのでちょっとビックリしたのですが、どうやら、いわいるオープンリールのマルチトラックレコーダーのチャンネル数が16chから24chになった年のようです。
以降デジタルレコーディング技術の登場によって、技術の中心がデータの圧縮技術主体になっていきます。たとえ最終メディアがアナログ盤だとしても音質がイマイチな録音も見られます。1980年代にプレスされたアナログ盤の中にはデジタル録音のものも結構あるのですが、あきらかに薄っぺらい音質でがっかりします。これはクラシックのレコードだったのですが、1986年録音のものを購入して失敗(ジャケを良くみたらデジタル録音と書いてありました)、以降レコードを買う時は必ず録音された年を確認するようにしています。
最近、デジタル音源をテープに通して疑似アナログ録音のようなことをすることもあるようですが、聴き比べると別物というか、なんか本物ではないなという印象を持ちます。やはり録り音が大事なのは言うまでもないですね。